僕は音楽ジャンルの中でもR&Bが好きだが、80年代、90年代は特に良くR&Bを聴いていた。最近紹介したオリヴィア・ディーンやレオン・トーマスなども良く聴いているのだが、先日また新たな“いい音楽”に遭遇した。それはOdeal (オディール)というナイジェリア系UKアーティストである。どうやら日本ではまだあまり知られていないようなのだが、キャリアとしては2014年頃から活動しており、現在28歳らしい。

まず彼の最新アルバム『For A Good Time・・・』が目に止まった。このジャケットが実に素晴らしい。白い壁に青が美しい大きなキャンバスアートがあり、そして手前には上質そうなレザーローソファーで、白シャツ・ジーンズ姿でヘッドホンをして音楽を聴きながら寛ぐ男性。そして左には青い盤のオシャレなレコードプレイヤーやステレオ機材などが置いてある。まさに僕の好きそうなエッセンスがこの小さなジャケ写に凝縮されていて、音楽そのものを聴く前から、すっかり惹かれてしまったのだ。

少々ジャケ写について語り過ぎてしまったが、そんなジャケ写からの興味でアルバムを実際に聴いてみたところ、何とも心地いいスムーズR&Bではないか!各曲素晴らしいが、変に音楽に激しい起伏はなく、アルバム全体がひたすら心地いい。歌詞もいいが、邪魔になるほど主張しているわけでもない。それでいて、音楽も決して単なるBGMのように緩すぎるほどでもない。何とも絶妙なところを突いたサウンドになっている。今世間では、こんな音楽を“チル(Chill)ミュージック”と呼ぶらしいが、ゆっくりと寛げる音楽のことを指すらしく、コーヒーでも飲みながらのんびりとソファーで音楽を聴きながら、ゆっくりと寛ぐという、まさにジャケ写にあるようなリラックスする時に聴きたい癒しのサウンドとなっている。

アルバムのタイトル、『For A Good Time…』というのも内容を的確に表していていい。収録されているのは下記7曲で、この多過ぎない曲数もまた“ちょうどいい“感じなのである。

01. Rush
02. Get Down
03. Bluey Vitton
04. Coming Home (feat.Jorja Smith)
05. After The Club
06. Love n Hate
07. Trying Things
『Rush』は夕方とかに聴きたくなるようなメロウで美しいサウンド。ちょっとロバート・グラスパー寄りのジャズ的な味わいもある。『Get Down』は少しR&B寄りだが、決して1曲目の雰囲気を壊すことなく、自然とリラックスできる環境をキープしてくれる。『Bluey Vitton』は少しだけスローテンポなクラブ系サウンドに切り替わるが、ここでもアルバム全体の世界観は見事にキープ。現在注目されている女性R&Bシンガー、Jorja Smithをフィーチャーした『Coming Home』は薄っすらとラテン系のリズミカルを持たせながらも、ひたすら“チル”であり続ける。『After The Club』はアルバムの中で僕が一番好きな曲だが、Babyface的なクールでメロウなカッコ良さのある極上のR&Bに仕上がっている。『Love n Hate』は美しいメロディの中に明るさと哀愁が共存する1曲。そして最後を飾る『Trying Things』は、ミッドテンポなR&Bバラードとしてアルバム全体のサウンドを踏襲しながら締めくくる。


アルバム全7曲、22分という短い音楽体験だが、とてもチルミュージックの心地良さに浸れる、見事なアルバムで、リピートして聴きたくなるアルバムであった。決して派手さはないが、うるさ過ぎず、退屈過ぎず、絶妙な空気感の素晴らしいアルバムとなっており、ジャケットを見るところからその世界観に誘われてしまった。夏の終わりにゆっくりと家でチルしたい人にはおススメの1枚である。


























































