僕はミッフィーの生みの親、ディック・ブルーナの描く作品が大好きだ。
ディック・ブルーナの作品は、あのミッフィーの絵本に代表されるように、そのシンプルなデザインや配色が特徴だが、僕もイラストやキャラクターデザインを描く際に大きな影響を受けた。ディック・ブルーナの作画スタイルは、究極的に行き着くミニマリズムの世界であり、その洗練されたシンプルさはとても勉強になった。ディック・ブルーナの本、『ディック・ブルーナのデザイン』は僕のアートバイブルの一つとなっている本だ。
ディック・ブルーナはオランダのユトレヒトという町で産まれ育ち、2017年に89歳で亡くなるまで、生涯オランダでグラフィックデザインや絵本を描き続けた。オランダにはミッフィーミュージアムという施設もあるのだが、いつかは訪れたいと思っている。
ちょうど12月に欧州出張に行った際、久しぶりにアムステルダム空港で飛行機を乗り換える機会があり、空港の売店でミッフィーのグッズがたくさん売られていた。この中で、思わず手にしたこの2つのぬいぐるみを購入。
通常ミッフィーは白なので、ブルーのミッフィーはめずらしいが、かなりしっかりした硬めの生地だったので、きなこが振り回して遊べるおもちゃのお土産として購入。もう一つはパイロットに扮したミッフィーがなかなか気に入ったのでこちらは自分用に購入した。
また先日も『シンプルの正体 ~ディック・ブルーナのデザイン』という本を購入。ディックの有名なキャラクター、ブラック・ベアの何ともシンプルなイラストが本の表紙となっているのも、良いデザインである。これは、2017年から昨年にかけて日本の主要都市で開催されていた同名のディック・ブルーナ展示会の公式ブックレットにもなっているもので、展示会でも展示されていたディックの初期グラフィックポスター作品やミッフィーのイラストなど数多くの作品が収集されているもので、なかなか見応えのある本である。


ディック・ブルーナが2017年に亡くなる前、人気キャラクター“ブラック・ベア”の最後の作品『de beer is dood (the bear is dead)』という絵本作品が発表され、大きな話題となった。ブラックベアの死を悼む内容らしいが、あの“ブラック・ベアが死んだ”という、絵本にはあまり馴染まないテーマで、しかもかなり暗いトーンのこの絵本の存在を知った時、僕も大きな衝撃を受けてしまった。晩年を迎え、自分自身をブラックベアになぞっていたのかもしれないと思ってしまった。この絵本は未だに出版されておらず、現在のところはディック・ブルーナの遺作であり、幻の作品となっている。

あのクリエイティブスタジオ、『サムライ』を指揮する佐藤可士和も、ディック・ブルーナに影響を受けた人物として有名だが、彼の作品にもディックのミニマリズム精神が、色遣いやシンプルなデザインに息づいているのだろう。