

ベスト盤はとても豪華な、下記全30曲が収録されている。

1) 浪漫と算盤LDN ver. (椎名林檎と宇多田ヒカル)
2) 幸福論
3) すべりだい
4) 正しい街
5) 歌舞伎座の女王
6) 丸の内サディスティック
7) ここでキスして。
8) ギブス
9) 罪と罰
10) 本能
11) 真夜中は純潔
12) 迷彩
13) 茎(STEM)~大名遊ビ編~
14) りんごのうた
15) 丸の内サディスティック(neetskills remix)

16) 公然の秘密
17) この世の限り (椎名林檎と椎名純平)
18) 流行
19) 旬
20) 自由へ道連れ
21) カーネーション
22) NIPPON
23) ありあまる富
24) 青春の瞬き
25) 人生は夢だらけ
26) おいしい季節
27) 獣ゆく細道(椎名林檎と宮本浩次)
28) 長く短い祭(椎名林檎と浮雲)
29) 目抜き通り(椎名林檎とトータス松本)
30) ジユーダム(ヒャダインのリリリリ☆リミックス)

僕が一番衝撃を受けた曲『本能』や、初期の大傑作である『歌舞伎座の女王』と『丸の内サディスティック』、ファンの間では特に人気が高い曲で、僕も大好きな『正しい街』、そしてバラードの名曲『ここでキスして。』など、初期の名曲も全て収録されていて実に懐かしい。


そして、比較的最近のヒット作であるNHK朝の連ドラ主題歌『カーネーション』や、NHKサッカーワールドカップテーマ曲『NIPPON』など、どれも甲乙つけがたい名曲が目白押しだ。また近年は実に見事なデュエットを数多くリリースして話題となってきたが、特に名曲として名高いトータス松本とのデュエット『目抜き通り』、エレカシの宮本浩次との異色デュエット『獣ゆく細道』はどちらも複雑なデュエットによる見事ハーモニーが重なり合う名曲に仕上がった。そしてデビュー同期の宇多田ヒカルとの最新デュエット曲『浪漫と算盤』も初収録となったが、何とも豪華なベスト盤だ。


椎名林檎と宇多田ヒカルは1998年当時、東芝EMIからデビューした同期であると同時に、プライベートでも親交が厚い二人だが、2016年には宇多田ヒカルのアルバム『Fantome』に椎名林檎とのデュエット曲『二時間だけのバカンス』が収録されたが、今回はまさにそのお返しとも言える再コラボとなった。

ベストアルバムのリリースを記念して最近様々なテレビ番組に登場しているが、先日、『ミュージックステーション』に椎名林檎が出演したが、その際になんと『正しい街』を久しぶりに生披露したのがまた感動的だった。いつ聴いても、この曲には惚れ惚れしてしまうし、椎名林檎は美しい! また、僕が欠かさず見ている『関ジャム』でも椎名林檎特集をやっていて、本人に作曲の秘密をインタビューなどした貴重な映像も多く、これまた感動的であった。

僕は椎名林檎の強い眼力、鋭くクールで美しいルックスも大好きなのだが、何よりもその天才的な楽曲センスに昔からすっかり惚れ込んでしまっている。椎名林檎はまさにプリンス並みの天才であり、その非凡なセンスは誰にも真似できないものだ。前作『三毒史』も素晴らしい傑作アルバムであったが、改めてこのベスト盤を聴くと、彼女がデビューからこれまで約21年間駆け抜けてきた時間を振り返りながら、その天才ぶりの変遷を楽しむことが出来る。まさに、最高のベスト盤である。
