米国のアクション俳優・武道家であったチャック・ノリス(Chuck Norris)が3月19日に亡くなった。86歳であった。俳優のみならず、真の格闘家としての敬意も込めて、謹んでご冥福を祈りたい。

チャック・ノリスと言えばブルース・リーを語る上で欠かせない存在で、僕にとってはブルース・リーとの思い出と共にチャック・ノリスの記憶も鮮明に残っている。1972年に公開されたブルース・リー主演第3作、『ドラゴンへの道』で、イタリア・ローマロケで、コロッセオにてブルース・リーとの映画史に残る名格闘シーンを演じたのがチャック・ノリスであった。ブルース・リーは映画で様々なバトルを繰り広げてきたが、チャック・ノリスとの対決がやっぱり一番だと思うし、『ドラゴンへの道』をより思い出深い素晴らしい作品にしているのはチャック・ノリスによるところが大きい。




チャック・ノリスはブルース・リーと同い年で、1940年生まれ。つまりブルース・リーも生きていれば今年86歳である。2人は若い頃アメリカの空手トーナメントで出会って意気投合して、お互いに武道家としてリスペクトしていた。

ブルース・リーは香港に戻ってから、ゴールデンハーベスト社のレイモンド・チョウに見出されて計3本の映画を制作したが、『ドラゴン危機一発』、『ドラゴン怒りの鉄拳』の大ヒットで、3本目となる『ドラゴンへの道』ではブルース・リー自ら主演・監督・脚本・武術指導等を手掛けることになり、更にローマロケを慣行することとなって、友人であったチャックに敵役として出演を依頼した。



チャックは『ドラゴンへの道』に出演する少し前から映画デビューなどをして既にアクション俳優の道を歩み始めていたが、やはり世界的に名前が知られたのは『ドラゴンへの道』からである。


その後、チャックも米国での人気に火が付き、僕がアメリカでハイスクール時代を過ごした1980年代には、『Missing in Action (地獄のヒーロー)』シリーズなどの映画で人気を博した。その後も1993年からはテレビドラマ『炎のテキサス・レンジャー』が大ヒットし、B級作品ではあったが、アメリカ人が好きなタイプの戦場バトルもの、アクション作品でヒットを次々と飛ばしたことで人気俳優として定着していった。


2022年に亡くなった僕の父は86歳目前で亡くなったが、やっぱり90歳を前にして亡くなる人は実に多い。ある意味大往生とも言える年齢ではあるが、いざ亡くなったとのニュースを聞くとやっぱり悲しいものである。これで生前のブルース・リーを知る貴重な人物がまた1人亡くなってしまったと言う意味でも、個人的にはとても残念である。また『ドラゴンへの道』を観ながら、じっくりとブルース・リー、そしてチャック・ノリスの雄姿を改めて目に焼き付けたいと思う。そしてチャックはまたあの世でブルース・リーとも武道談義に花を咲かせることであろう。
